2026年度税制改正で不動産はどう変わる?4つの改正ポイントと市況への影響を鑑定士が解説

2025年12月19日、令和8年度(2026年度)の税制改正大綱が公表されました。蓋を開けてみれば、不動産関連は「住宅取得への追い風」と「相続税対策の引き締め」が同居する、メリハリのきいた内容で決着。知り合いの税理士数名と今回の改正について会話する機会がありますが、「ここまで踏み込んだか」と驚いている方が多かったです。これには、私も同感でした。本記事では、不動産に関わる4つの主要な改正ポイントと、それぞれが価格や不動産市況にどう波及するのかを、現場の温度感を交えて解説します。

この記事で分かること

  • 2026年度税制改正における不動産関連の主な改正点4つ
  • 貸付用不動産・不動産小口化商品の相続税評価見直しの具体的な内容と適用時期
  • 各改正が不動産価格・市況に与える影響と今後の展望

2026年度税制改正大綱とは|不動産関連改正の全体像

そもそも税制改正大綱って何?位置づけと施行までの流れ

毎年12月、与党の税制調査会が翌年度以降の税制の方向性をまとめたものが「税制改正大綱」です。位置づけとしては、税制改正の「設計図」のようなもので、これに基づいて1月以降の通常国会に法案が提出され、無事3月までに可決されると、原則4月1日以降に施行されていきます。

ちなみに、本記事執筆時点(2026年5月)では、2026年度税制改正法はすでに2026年3月31日に成立しています。ただし、貸付不動産・小口化商品の評価方法の具体的な算定方法など細部については、国税庁が今後発遣する通達によって明らかになる部分が残っており、実務上はその動向にも注目が必要です。

不動産関連の主な改正ポイントは4つ

今回の大綱で、不動産に関わる注目すべき改正は、ざっくり次の4つに集約できます。

  1. 貸付用不動産の相続税評価方法の見直し(5年ルールの導入)
  2. 不動産小口化商品の相続税評価の時価評価化
  3. 住宅ローン控除の5年延長と中古住宅・コンパクト住宅の優遇拡充
  4. 新築マンションの短期売買への規制方針と、非居住外国人取引の消費税課税

このうち①と②は「資産課税の適正化(実質的な増税)」、③は「家計支援(減税)」、④は「投機抑制」と、性格が大きく異なります。それぞれを順に見ていきましょう。

2026年度税制改正・不動産関連 4つの改正ポイント 適正化 (実質増税) 相続税対策の 抜け道封じ ① 貸付不動産の評価方法見直し 「5年ルール」の導入 相続開始前5年以内に取得した貸付不動産は、 取得価額×80%(地価変動等を考慮)で評価 ▶ 駆け込み節税スキームに歯止め 適用:2027年1月1日以降の相続から ② 不動産小口化商品の時価評価化 取得時期を問わず時価評価 5年ルールの「縛り」すらなし。 過去取得分も含めて時価で評価 ▶ 節税メリットは事実上ゼロに 適用:2027年1月1日以降の相続から 家計支援 /投機抑制 実需層が 買いやすい市場へ ③ 住宅ローン控除の5年延長&中古拡充 期限を2030年末まで延長 床面積40㎡へ緩和、中古の控除期間13年化、 借入限度額3,500万円〜4,500万円 ▶ 中古重視・実需支援の姿勢 レッドゾーン新築は2028年から除外 ④ 短期売買規制&非居住者課税 新築マンションの投機的取引を抑制 短期譲渡所得への税制措置を検討。 非居住者・外国法人の仲介手数料に消費税 ▶ 実需層が買いやすい市場へ 非居住者課税は2026年10月1日から ※2026年度税制改正法は2026年3月31日成立。貸付不動産・小口化商品の評価方法の詳細は国税庁通達の発遣待ち。

【最大の論点】貸付用不動産・小口化商品の相続税評価見直し

なぜ今、評価方法にメスが入ったのか

率直に言うと、今回の改正は「タワマン節税封じの次の一手」です。

2024年1月から区分所有マンションの評価方法が見直され、いわゆる「タワマン節税」には事実上のフタがされました。きっかけは、2022年の最高裁判決。路線価で評価した課税価額が、実勢価格と約4倍も乖離していた相続税申告に対し、最高裁が「これは公平を欠く」として国側を勝たせた、あの事件です。

ところが、見直しの対象になったのは区分所有のマンション一室のみ。一棟マンションや不動産小口化商品は規制の網から漏れたままでした。結果、富裕層の節税スキームが「区分マンションから一棟マンション・小口化商品へ」とシフトしていったわけです。当時はなぜ、一棟マンションまでメスが入らなかったのか、業界のなかでは少し話題になりました。

国税庁が公表した事例では、21億円で購入された賃貸マンションの相続税評価額が4.2億円(約80%減)、3,000万円で取得された小口化商品が480万円と評価されたケースが紹介されています。さすがにここまで開くと、課税の公平性の観点から看過できなかった、ということでしょう。

改正内容①|「5年以内に取得した貸付不動産」は取得価額の80%で評価

新ルールの骨子は、こうです。被相続人が相続開始前5年以内に対価を伴う取引で取得または新築した貸付用不動産は、原則として「課税時期における通常の取引価額」で評価する。ただし課税上の弊害がない限り、簡便的に「取得価額を基に地価変動などを考慮した金額の80%」で評価できる、という内容。

従来の評価方法と比較してみます。例えば時価1億円の賃貸マンションを取得した場合:

  • 従来の路線価ベース評価:土地は公示価格の約8割、建物は固定資産税評価額(時価の5〜7割)。さらに貸家建付地・貸家評価・小規模宅地などの特例まで重ねると、評価額が時価の3〜5割程度(3,000万〜5,000万円)まで圧縮されるケースも多くありました。
  • 新ルール下:取得価額1億円を基に地価変動などを考慮した金額の80%で評価。仮に地価変動を捨象して単純計算すると、1億円 × 80% = 8,000万円。圧縮効果は最大でも20%程度に縮小します(実際の評価額は地価変動率や通達の詳細による)。

数字で並べてみると、節税効果がほぼ半減〜消滅していることが分かります。「相続直前の駆け込み取得」は、もはや旨味のあるスキームではなくなる、というのが実務家の共通認識です。ただし注意したいのは、これは「5年以内の取得」に限定された話。富裕層の間で長く定石とされてきた「節税するなら収益不動産を購入せよ」という発想自体は、5年超の保有期間を確保できれば従来通り有効です。要するに「短期決戦の節税」は封じられた、ということになります。

なお、対象はあくまで「貸付用」の土地・建物。自宅や自社で使う事業用不動産、5年より前から保有している賃貸物件は、従来通りの評価方法が維持されます。

ただし、見逃せない経過措置があります。改正通達が定められる日の時点で、土地を5年以上前から保有していて、その土地の上に通達制定日までに新築(または建築中)した家屋については、新ルールの対象外とされる予定です。つまり、「先祖代々の土地にアパートを建てる」「親から相続した土地で賃貸経営を始める」といった、土地を長期保有してきた人の建築計画は救済される設計になっています。「5年以内なら一律NG」というわけではない、というのは押さえておきたいポイントです。

貸付不動産「5年ルール」評価額の変化イメージ 時価1億円の賃貸マンションを取得した場合の相続税評価額 1億円 8,000万円 6,000万円 4,000万円 2,000万円 0円 時価ライン 時価(取得価額) 1億円 実際の市場価格 従来の評価方法 路線価+貸家評価+特例 約4,000万円 時価の3〜5割まで圧縮可 圧縮率 約60% 新ルール(5年以内) 取得価額×80% 8,000万円 時価の80%で評価 圧縮率 20%のみ 課税対象額が +4,000万円 (課税ベースで2倍) POINT: 取得価額の80%=時価ベース。従来の「土地・建物別評価+貸家評価+小規模宅地特例」の重ね技は使えない。 ※従来評価額は前提条件により変動。あくまでイメージ図。

改正内容②|不動産小口化商品は取得時期を問わず時価評価へ

不動産小口化商品(任意組合型・信託受益権型など)については、もっと厳しい扱いになりました。取得時期を問わず、相続時の通常の取引価額で評価する、というルールです。

5年ルールの「縛り」すらありません。10年前に買っていようと、改正後(2027年1月1日以降)の相続発生時には時価評価となります。理由はおそらく、小口化商品が金融商品的な性格を持ち、運用会社の定期報告などで時価が把握しやすいから、というのが税務当局の判断でしょう。

これまで小口化商品は「相続税評価を購入価格の1〜2割まで圧縮できる節税商品」として、相続税対策の定番ツールでした。ここ数年の不動産市況なども相まって、以前は税理士からも「最近の富裕層案件は小口化ばかり」という話をよく聞いたものです。さて、その節税メリットが事実上ゼロになる。これは商品設計そのものを揺るがすインパクトです。

いつから適用される?2027年1月1日以降の相続が対象

最も誤解されやすいポイントなので、はっきり書いておきます。新ルールが適用されるのは、2027年(令和9年)1月1日以降に発生する相続・贈与からです。

つまり、2026年12月31日までに相続が発生すれば、従来の路線価評価が使えます。一方、2026年中に賃貸物件を取得していても、相続が2027年以降に起きれば、取得から5年以内である限り新ルールの対象。「2026年中に駆け込みで買えば逃げ切れる」というのは誤解で、相続発生のタイミング次第なのです。

新ルールはいつから?相続発生のタイミングで適用が決まる 2025年 2026年 2028年〜 2027年1月1日 ↓ ここが境界線 2027年 従来の評価方法(路線価ベース)が適用 新ルール(取得価額の80%)が適用 ケースA:2026年12月までに相続が発生 ・取得が5年以内であっても、新ルールは適用されない ・従来の路線価評価・貸家建付地評価・小規模宅地特例  などを使った評価圧縮が可能 → 旧ルールで逃げ切り ケースB:2027年1月以降に相続が発生 ・取得から5年以内 → 取得価額の80%で評価 ・取得から5年超 → 従来通り路線価ベース ・小口化商品 → 取得時期問わず時価評価 → 新ルール適用、節税効果は大幅縮小 ⚠ 誤解されやすいポイント 「2026年中に買えば新ルールから逃げ切れる」は誤り。判定基準は相続発生日であり、 2026年中の購入でも、相続が2027年以降に起きれば、取得から5年以内である限り新ルール対象。 → 駆け込み購入ではなく、相続時精算課税制度を使った2026年中の贈与が有力な選択肢に。

2026年中にできる対策|相続時精算課税制度の活用

現行の路線価評価のまま資産を次世代へ移したい場合、有力な選択肢が相続時精算課税制度を使った生前贈与です。

この制度は、60歳以上の親や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与について、累計2,500万円までは贈与時に贈与税がかからず(2024年からは年110万円の基礎控除も別枠で創設)、相続発生時に贈与時点の評価額で精算するというもの。2026年中に贈与を完了させれば、現行の路線価ベースの評価額で固定できる点が最大のメリットです。

ただし、ここで強調しておきたいのは、「2026年中の贈与=100%逃げ切り」ではないという点です。

制度上、相続時精算課税を選択して2026年中に贈与すれば、贈与時点の路線価評価で固定されるのが原則です。しかし、贈与から相続発生までの期間が極端に短い場合や、明らかに節税のみを目的とした駆け込み贈与とみなされる場合には、財産評価基本通達6項(いわゆる「総則6項」)に基づく否認リスクが現時点で税理士などの間で議論されています。これは、2022年の最高裁判決で国側が勝訴した、あのケースで使われた条文です。

加えて、不動産の贈与には登録免許税(贈与は2.0%、相続なら0.4%)や不動産取得税が別途かかり、小規模宅地等の特例も使えなくなります。一度この制度を選ぶと暦年贈与には戻れません。

現時点では有力な選択肢ではあるものの、贈与後の動向や、今後発遣される通達の内容も注視する必要がある——プロとしては、そう一歩引いた構えで判断するのが安全です。税理士とシミュレーションを重ねたうえで決断してください。

住宅ローン控除の5年延長と「中古重視」への舵切り

適用期限が2030年12月31日まで5年延長

ここからは「住宅取得への追い風」の話です。

2025年末で終了する予定だった住宅ローン控除は、2030年12月31日入居分までの5年延長が決定しました。住宅価格の高騰と金利上昇局面のなか、住宅取得意欲が冷え込むのを防ぐ狙いが透けて見えます。

ちなみに金融機関の知人と話していると、「2026年に入って住宅ローン金利の引き合いがさらに増えた」と言います。控除延長のアナウンス効果は実需層にはダイレクトに効いている、というのが現場の感触です。

床面積要件40㎡へ緩和、中古住宅の控除期間が13年に

今回の改正で個人的に最も注目しているのが、中古住宅の優遇拡充です。

  • 床面積要件が50㎡以上から40㎡以上へ緩和(合計所得金額1,000万円以下の人が対象)
  • 省エネ基準適合の中古住宅は控除期間が10年から13年へ延長
  • 中古の長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅は借入限度額が3,000万円から3,500万円(一般世帯)/4,500万円(子育て・若者夫婦世帯)へ引き上げ

「新築偏重から中古重視へ」という政策メッセージが、ここまで明確になったのは久しぶりのことです。子育て世帯・若者夫婦世帯が13年間で受けられる最大控除額は、従来の210万円から最大409.5万円へほぼ倍増します。

東京の都心部で40㎡台のコンパクトマンションを探している単身者やDINKSにとっては、選択肢が一気に広がる改正です。私が普段足立区で仲介していても、「40㎡前後だと控除対象外だから諦めるしかなかった」という相談を何度か受けてきました。あれが解消される、というのは想像以上に大きい。

住宅ローン控除「中古重視」へ|主な改正点ビフォーアフター 改正項目 従来(〜2025年) 改正後(2026年〜) 適用期限 入居日ベース 2025年12月31日入居まで 2030年12月31日入居まで → 5年間延長 床面積要件 所得1,000万円以下 50㎡以上 40㎡以上 → コンパクト住宅も対象に 中古住宅 控除期間(省エネ基準) 10年 13年 → 新築と同水準に 中古・借入限度額 長期優良・低炭素・ZEH 一般:3,000万円 子育て・若者夫婦:3,000万円 一般:3,500万円 子育て・若者夫婦:4,500万円 レッドゾーン新築 2028年以降 適用対象 適用対象外 → 立地要件を厳格化 💡 子育て・若者夫婦世帯への影響 省エネ性能の高い中古住宅を購入する子育て・若者夫婦世帯が13年間で受けられる最大控除額は、 2025年の210万円 → 2026年以降は409.5万円へ ほぼ倍増。 ※床面積40㎡台のコンパクトマンション、省エネ基準適合の中古マンション・戸建てが、税制面の恩恵を強く受ける見込み。

災害レッドゾーンでの新築は対象外に

一方で、明確に「ノー」が突きつけられたのが、災害レッドゾーン(土砂災害特別警戒区域など)での新築住宅です。2028年以降、こうした地域で新築された住宅に入居する場合は住宅ローン控除の対象から除外されます。

数百万円単位の控除を失う可能性があるため、土地を選ぶ際に(土砂災害)ハザードマップを確認することの重要性は格段に増します。当該地域の土地は需要が落ち、将来の流動性も悪化する。鑑定士の立場から言えば、長期的には資産価値の下方圧力がじわじわ効いてくる、と見ています。

その他の注目改正|短期売買規制と海外マネー課税

新築マンションの短期売買への規制方針

近年、都心の新築マンションでは投機目的の短期転売が横行し、抽選倍率が異常な水準まで跳ね上がっていました。実需層が締め出される状況に対し、2026年度税制改正大綱では「税制上の措置を含めて必要な措置を講ずる」との方針が示され、改正法にも引き継がれました。

ただし、注意したいのは、具体的な税率引き上げまでが大綱で決まったわけではない、ということです。現状の短期譲渡所得(5年以下の所有)の税率は39.63%ですが、これをさらにどう引き上げるか、別の手法を取るかは、今後の議論を待つ段階。「方針が示された」のは大きな一歩ですが、「もう決まった」と早合点しないほうがいい部分です。

非居住者・外国法人の不動産取引にかかる仲介手数料に消費税課税

2026年10月1日から、非居住者(海外居住の個人)および外国法人が日本国内の不動産を売買・賃貸する際の仲介手数料に、10%の消費税が課されるようになります。

これまで、こうした取引は「輸出免税」の扱いで消費税がかかりませんでした。しかし、「サービスは国内で提供されているのに、なぜ免税なのか?」という不公平感が強く、見直されることになったわけです。

実務上は、外国法人ファンドによる日本のオフィスビル・マンション一棟買いに与える影響が大きい部分です。インバウンド投資が拡大する局面でこれが入るのは、海外マネーには小さくない打撃でしょう。

改正が不動産価格・市況に与える影響

相続税対策需要の鈍化と、一棟マンション・小口化商品市場への影響

これは率直に言って、市場の空気を変える改正です。

相続税対策を目的とした「築浅一棟マンション」や「小口化商品」への投資マネーは、一定の鈍化が避けられないでしょう。特に小口化商品は、節税メリットが完全に消えるため、商品設計の根本的な見直しを迫られるはず。すでに大手の販売会社では「収益性重視の商品」へのシフトが議論されているとも聞きます。

一棟マンションの売買市場では、「節税プレミアム」として価格に上乗せされていた部分がはがれ落ち、収益還元法ベースの本来の価格に収斂していく流れが予想されます。地方の郊外で「相続税対策のために」と高値で取得された築浅一棟物件などは、出口(売却時)で苦戦する可能性が高いと見ています。

中古住宅市場の活性化と価格への波及

住宅ローン控除の中古拡充は、中古市場にはかなりの追い風です。

特に都心部の40〜60㎡台のコンパクトマンションは、これまで税制面で「不利」だったハンディが解消されます。新築マンション価格が高止まりし続けるなか、相対的な割安感が増し、買い手の流入が加速するでしょう。リフォーム・リノベーション市場も連動して動くはずです。

中古マンションの成約価格は、首都圏では13年連続で上昇していますが、控除拡充がさらに下支えする構図になります。一方で、立地の悪い物件や旧耐震の物件は、控除の対象外になる可能性があり、二極化はむしろ加速しそうです。

新築マンション市場における投機的需要の抑制

短期売買への規制方針は、まだ詳細不明とはいえ、市場に対する「シグナル効果」だけでも侮れません。投機目的の購入は、政策方向が明確になっただけで一部は手じまいに動きます。

短期的には新築マンションの実需以外の需要が剥落し、価格上昇のペースは鈍化する可能性が高い。ただし中長期で見れば、実需に支えられた健全な価格形成に向かうため、住む人にとっては歓迎すべき変化と言えます。

まとめ

2026年税制改正を踏まえて、今すべきこと

2026年度税制改正は、不動産を「節税の道具」から「実需と収益性に裏打ちされた資産」へと位置付け直す、明確なメッセージを内包しています。

  • 貸付用不動産の5年ルールと小口化商品の時価評価化で、相続税の節税効果は大幅に縮小します
  • 住宅ローン控除は5年延長され、特に中古住宅・コンパクト住宅・省エネ住宅への優遇が手厚くなりました
  • 新ルールの適用は2027年1月1日以降の相続から。2026年は、現行ルールで資産を移転できる最後の年です

相続税対策を考えている方は、2026年中に現状の保有資産を棚卸しし、相続時精算課税制度の活用を含めた贈与プランを、税理士と一緒に組み立ててみてください。住宅購入を検討している方は、面積要件の緩和や中古住宅の優遇を踏まえて、これまで対象外だった選択肢にもう一度目を向けてみる価値があります。

不動産は、税制ひとつでゲームのルールが変わる資産です。表面的な数字に惑わされず、ご自身の状況に合わせて、信頼できる専門家(税理士など)に早めに相談してみてください。私もご質問があれば、いつでもお応えします。

冨田 隼平
宅地建物取引士・不動産鑑定士・2級ファイナンシャルプランニング技能士ほか
大手信託銀行にて不動産売買仲介、その後業界最大手の鑑定会社にて不動産鑑定評価業務に従事。現在は独立し、不動産の売買サポートのほか、不動産に関する全般的なコンサルティングを提供。

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